商品・開発研究

毛周期サイエンス

FGF-5はどこに働きかける?

FGF-5が毛のどこに働きかけているかを調査しました。

FGF-5には、FGFR1に結合することが知られています(オルニッツ氏論文)。そこで、FGFR1が毛包のどの部位で発現しているかを調べたところ、FGFR1は、毛乳頭で発現していることがわかりました。
FGF-5が成長期の後期に出ることで毛乳頭にそのシグナルが伝わり、さらに毛乳頭が退行期へと誘導するシグナルを出しているのでないかと考えられました。
実際に毛乳頭細胞へFGF-5を添加する実験を行ったところ、この反応を示すことがわかりました。



FGF-5は毛乳頭に働く!


次に培養した毛乳頭細胞にFGF-5を加える群、そうでない群でわけて比較実験を行いました。
その結果、FGF-5を加えた毛乳頭細胞群は、FGF-5に反応して細胞の塊が崩れ、周辺に広がる速度が早まりました。
『毛乳頭でFGFR1が発現し、毛乳頭はFGF-5に反応する。』この実験結果から、FGF-5が毛乳頭に働きかけ、FGF-5に反応した毛乳頭が退行期に移行させている。ということが考えられています。


参考文献:
『Fibroblast Growth Factor Signalling in the Hair Growth Cycle:
Expression of the Fibroblast Growth Factor Receptor and Ligand Genes in the Murine Hair Follicle.』
THOMAS A. ROSENQUIST AND GAIL R. MARTIN
Dev Dyn. 1996 Apr;205(4):379-86.

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